健康食品メーカーM社 商品開発部
鶏の味やにおいが残り飲みにくく、経時変化テストでは褐変も…
無味・無臭化されたイミダゾールジペプチドで、飲みやすく褐変しないサプリを商品化!
背景
健康寿命の延伸をサポートするサプリメントシリーズが好評なM社では、ロコモティブシンドローム予防対策の一つとして注目される“イミダゾールジペプチド”含有のサプリを開発中。しかし、鶏の風味が残ることや、経時による褐変などの課題があり、なかなか商品化できずにいた。
課題
イミダゾールジペプチドを配合したサプリを開発したいが、味、におい、色の課題が発生
日本では超高齢社会を迎え、サプリメント(サプリ)や健康志向食品の商品化が活発になってきています。M社では、ロコモティブシンドローム(ロコモ)予防対策をうたった新商品を投入したいと考え、商品開発を進めていました。
商品開発部の責任者であるK氏は次のように振り返ります。
「近年、疲労回復、運動パフォーマンス向上、生活習慣病対策として、イミダゾールジペプチドが注目されています。時速100km近くで泳ぎ続けるカツオやマグロ、数千キロも不眠不休で飛び続ける渡り鳥などの筋肉に多く含まれるため、それらの動物の驚異的な運動能力を支えている物質だと考えられているのです。私たちはこの成分に注目し、ロコモ予防対策サプリを企画しました」
しかし、試作段階でいくつかの課題が発生しました。一つ目の課題は、鶏の味とにおいが残ってしまい、非常に飲みにくくなる点です。鶏肉から抽出したイミダゾールジペプチドは、サプリに多く配合すると味とにおいが残ってしまいました。含有量を減らすことは避けたいと考えていたので、味やにおいを感じなくなるまで配合量を減らすことは困難でした。
そして、もう一つの課題が色です。ラボでの経時変化テストではサプリが褐変してしまいました。さらに数社のイミダゾールジペプチドを使って試作しましたが、色・におい・味などにばらつきが生じ、品質劣化につながる可能性も出てきてしまったのです。
その後も処方・配合の見直しをおこない試作を繰り返すものの、商品化できるレベルには届きません。なかなか良い結果が出ず、K氏ら商品開発部のメンバーは困り果てていました。
課題のポイント
イミダゾールジペプチド高含有のサプリは鶏の味やにおいが残り飲みにくくなってしまうが、含有量を減らすことは避けたい
経時変化テストでサプリが褐変してしまうので、色の変化を抑えたい