健康食品メーカーR社 商品企画部
他社との差別化を図るため、美容系サプリメントに抗酸化成分を加えたい
無味・無臭で飲みやすい、高純度のアンセリンで新たな商品を開発
背景
自社で研究所を持ち、有効性のある素材を研究・開発しているR社。ヒット商品を開発してビジネスの安定を図る商品企画部では、アスタキサンチン、EPA・DHA、ビタミンE等を含む美容系サプリメントを企画。抗酸化成分をもう一種類加えて、他社商品と差別化を図ろうとしていた。
課題
抗酸化効果を高め差別化を図るも、魚成分特有のにおいが消えず…
アスタキサンチンをベースに美容系サプリメントを設計したいと考えたものの、同成分を使用した商品は市場にも多く流通しており、既に人気を集めていました。そこでR社では、他社商品と差別化を図ることが可能な抗酸化成分を追加することにします。
商品企画部のS氏は、次のように振り返ります。
「当社の過去の研究データより強力な抗酸化効果のあったイミダゾールジペプチドに注目し、より差別化を図るべく試作を行うこととしました」(S氏)
カルノシンは体内に入るとすぐに分解されてしまいますが、アンセリンは血中に長くとどまることがわかっています。そのためアンセリンを追加すれば、その強力な抗酸化作用で、他社商品との差別化が可能になると考えられました。
商品企画部では、さっそくメーカーに声をかけてサンプルを取り寄せ、試作を開始しました。しかし開始早々、大きな問題にぶつかることになります。アンセリンの主原料は魚であることが多いため特有のにおいが残ってしまうのと、アンセリンの含有量が少ないことから総用量(粒数)も多くなってしまうのです。
「特有のにおいがあり、かつ総用量(粒数)が多くなってしまうとなると、摂取するユーザー側に心理的な負担がかかってしまい、結果として継続的な購入意欲が低下してしまいます」(S氏)
他にも、高純度のアンセリン抽出はそもそも非常に難しく、また希少な成分であるという課題もクリアしなければなりませんでした。せっかく可能性を秘めた原料を見出したものの、商品に採用するには課題が多く、担当者は頭を抱えるしかありませんでした。
課題のポイント
アンセリンを追加しようとしたが、主原料が魚であるため特有のにおいが残ってしまった
総用量(粒数)が多くなってしまうため、継続的な摂取を阻んでしまう恐れがあった
高純度のアンセリンの入手は非常に困難であった