健康食品メーカーD社 商品企画部
おいしく低コストで作る秘訣とは!?運動による疲労ケアに新しい付加価値を…
複数のイミダゾールジペプチド製品を併用することで、他社と差別化できた理由
背景
「運動中に手軽に飲める疲労回復ドリンク」という新しいコンセプトで、スポーツドリンクの開発企画を進めているD社。幅広い年齢層に人気があるランニングやサイクリングなど、運動強度の高いエクササイズによる疲労感軽減対策を目的としたサプリメント需要の伸長を見込んでいた。しかし、解決しなければならない多くの課題に悩まされていた。
課題
有効成分を維持しながら、おいしく低価格に仕上げるには…
先行する他社製品がBCAAやビタミン入りのドリンクを展開する中、D社は調査の結果、疲労感軽減成分としてエビデンスが豊富なイミダゾールジペプチドに着目します。
開発メンバーの一人、商品企画部のS氏はこのときの状況をこう振り返ります。
「イミダゾールジペプチドは疲労回復・運動能力向上などの疲労感軽減効果がかなり期待されています。それに、イミダゾールジペプチドが配合されたスポーツドリンクはそれほど多く流通していないので、我々が商品化して市場を活性化させたい!と考えました。また、人間や動物の筋肉や脳に含まれている成分でドーピング禁止物質ではないことから、一般のスポーツ愛好家から運動部の学生だけでなくアスリート層であっても安心・安全に飲んでもらえます」
S氏は早速、取引のある仕入先からイミダゾールジペプチドを取り寄せて、試作を開始しました。ところが、イミダゾールジペプチドには各素材由来の独特な味や香りがあり、おいしいと思える調味には相当な工夫が必要でした。試行錯誤を連日繰り返しましたが、なかなか飲みやすい風味をつくり出すことができません。
また、経営層からは「イミダゾールジペプチド200mg含有を目玉にする」という強い要求が出ていましたが、これが開発予算的にはかなり厳しい状況でした。そのうえ、最初は少量生産からスタートして、市場動向を見ながら増産できればと考えていたのですが、少量購入が可能な仕入先が見つからずにいました。
他の原料メーカーや商社にも声をかけてみましたが、全ての条件を満たす原料はなかなか見つかりませんでした。このままではコンセプト通りの有効成分を生かした商品ができないと、S氏ら商品企画部のメンバーは頭を抱えてしまいました。
課題のポイント
イミダゾールジペプチドには各素材由来の独特な味や香りがあり、飲みやすい風味をつくり出すことが難しかった
経営層から「イミダゾールジペプチド200mg含有を要求されたが、限られた開発予算内では厳しかった
最初は少量生産からスタートしたいが、少量購入が可能な仕入先が見つからなかった