健康食品メーカーT社 研究開発部

犬用フードの新商品として、栄養補給おやつを企画するも開発は難航…

飼い主も納得した、高付加価値で食いつきのよい運動後に最適な機能性素材とは?

背景

健康食品の通販を主体として成長していたT社。近年のペット市場の拡大に伴い、需要が増加しているペットフードを次期主力商品にすることが決まった。リサーチを重ねた結果、犬が運動後に手軽に栄養補給できるおやつを企画。しかし、素材選びのため商品開発は難航していた。

課題

「ワンランク上の」商品を求める声に応える付加価値の高い素材が見つからない…

一般的に犬も人間と同様に、加齢に伴って太りやすくなるという傾向があります。肥満防止のために犬を運動させている飼い主は、ごほうびとして与えるおやつには、ヘルシーで栄養価の高いものを求めていました。このようなニーズに応えるべく、T社では新商品として、運動後に犬が気軽に摂取できるおやつを企画したのです。

しかし、ペットフードの開発にあたっては、考慮しなければならない点がいくつかありました。研究開発部のH氏は次のように話します。
「まずは、犬の食いつきがよいことですね。どんなに優れた成分が含まれていても、犬が食べてくれなければ意味がありませんから。他には、ペット向けサプリメントに使用できる価格の素材であることも大切です。いくら付加価値があるといっても、極端に高額な商品では顧客からも敬遠されてしまいます。そして、何よりも大変だったのは、ペットフードに使える素材が限られていることでした」

犬には「食べさせてもよいもの」「食べさせてはいけないもの」が決められています。こうした制約のある中で配合する素材を選ぶ必要があったのです。
さらに、T社の顧客は普及品よりも付加価値のある「ワンランク上の」商品を求める傾向にありました。そこで新たな付加価値を模索したものの、考慮しなくてはならない点を満たしながら付加価値を得られる素材は、簡単に見つけることはできませんでした。

そんな中、急遽4か月後に開催される展示会に出展することが決まり、ここで新商品を発表することになったのです。短期間での商品開発を迫られたH氏は、頭を抱えました。

課題のポイント

  • ペットフードには「食いつきがいいこと」「最適な価格」「使用可能な素材」などの条件があった

  • 顧客は「ワンランク上の」付加価値の高い商品を求めていた

  • 短期間で新商品を開発しなければならなかった

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